ヨーロッパのブルーカードとキャリアパス

なんとなく存在は知っていたんだけど、今の状況に不便してないからって調べるのをサボっていたものに「ブルーカード」って制度がある。これは、USのグリーンカードを模して制度が作られたらしく、滞在・就業許可に関する手続きを簡素化 + 他の加盟国での就業を認める権利のことを指すらしい。つまり、ヨーロッパにおける永住権に近いもんっぽい。

詳しくはこちら 高度専門技術者の受け入れに関する「ブルーカード」指令成立(EU:2009年8月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

実際にオランダで永住権を取得しようとすると、5年以上真面目に働いてオランダ語の試験をクリアし、会社と連帯保証人に一筆お願いする必要がある。言うても真面目に生活していれば低いハードルだし5年過ぎてから考えようーなんて構えてたんだけど、ブルーカードで自由に暮らせる権利を使ってもっと選択肢を増やすことも可能だったなぁと反省した。ただ、もちょいで移動するので今更2年間同じ会社に勤めなきゃいけない縛りがあるのは手遅れなので厳しい。

一方で、ブルーカードはどうも会社のスポンサーが必須となるので、フリーランスの目がなくなってしまう。少しずつオランダやUSの企業からcontructorとして働ける仕事が来るようになってきたのもあるので、フリーランスになって雪国をフラフラしながらリモートワークを楽しみつつ、タイミングがきたらリスクを取って大きく動けるようにしておくのが本当はベストそう。

リモートワークといえば、土地代が安く済む国に90日以内ほど住みつつ、平均年収が高い国の仕事を受けるっていうの今も昔も流行ってる。

Visa and length of stay in Thailand · Issue #308 · sindresorhus/ama · GitHub

これの流れで日本や、他のアジアの国にちょこちょこ滞在しつつ、のんびりコードを書き続けるって生活も楽しそう。福岡とか行きたい。


これをキャリアパスと呼ぶかは定かじゃないけど、冷静に考えれば働き方って本当にいろんな選択肢がある。リモートワークってだけで決めて、その他の部分を刺激的に過ごせるようにカスタマイズするだけでも組合せ爆発。

こういう選択肢、みんな気付いているんだけど行動に移すほど今の生活に困ってないっていうのが現状なんだろーなって感じる。そして、自分の場合は生活に飽きてて困っていたので行動に結びつけたんだけど、実はヨーロッパでフラフラとしてるOSSな人たちも似たような生活をしているみたいだった。ロールモデルが存在しなそうなことも、行動してみると似たような人たちと会えるもんなんだなぁと。

いずれにせよ、少なくともあと数年はこの生活でも良さそうだし、スタグフレーション的なのが日本にたとえ来たとしても余裕を持って初動に対応できるパワーが鍛えられそう。まだちょっと決めあぐねているんだけど、消去法だと、このフラフラするのを選択肢したほうが良さそう今のとこ。

パリにいるらしい4chの管理人さんみたいな生活をいつかできたらなぁと妄想しつつ、今日ものんびり働く。

2017年の近況.js

前回の記事を書いてから半年も経過しててびっくり。毎月何かしら脳がシェイクされるようなことが起きてて、予定なんか何も入れてないつもりでもカレンダーみるとグッチャグチャになってるー

忘れないうちに近況めも

npm doctor

npmに、npm doctor コマンドを追加した。

もちょいでopenなissueが3000を超えるnpmのリポジトリだけど、自分なりにできることを積み重ねていってる。

  1. issue reportの正規化
  2. 正規化されたissue reportを元に、trouble shootingの追加
  3. trouble shootingを元に、自動診断コマンドの追加

次のステップとしてauto fixの追加を考えてる

モチベーションは、supportabilityへの関心。開発者に可能性を見せるのがD2Dのソフトウェアであるべきなのに、よく分からないエラーでモチベーションを奪うのは大きなマイナス。で、この問題を解決する良い題材がnpmだった。supportability はまだ熱い話題にはなってないけど、どんなソフトウェアも例外が発生し得るので、問題が発生した際にユーザーにどのような解決手段を提供できるかっていうのは開発者がケアすべき項目になるんじゃないかな。機会費用

amsterdam.js

そんな話をAmsterdamで1番大きいJSコミュニティのカンファレンスで話させてもらえることに。笑い取りたい。

AmsterdamJS Conference 2017

Node.js core collaborator

になった。コミット権限があるだけで、結局はコントリビューターとそんな大きな差はないように思う。ちゃんとした人にならなきゃなぁてくらい。

キッカケは @about_hiroppy。彼がtestの改善をガリガリしてたのを間近で見て、自分なりに興味もてそうな部分を探してみた結果、WHATWG/URLのパーサーの実装を推し進めるお祭りに気付くことができた。そっからは、仕事後に図書館に寄って閉館まで早い者勝ちの実装をいっぱいやって、Jamesに推薦してもらうに至った。

この実装のお祭り、スペックが考慮していないケースを思いつけるのが本当にエキサイティング!当たり前なんだけど、仕様を変えると全ブラウザに波及する。

あと、開発だけじゃなくて今年はこのコミュニティ内で人との交流も活発になりそう。Intl WGで月次定例に出て通話でi18nの議論をしたり、月末はベルリンでcollaboratorが集まる議論に参加したり、ドイツのV8チームとご飯いく予定とかも。良い1年になる気がする :D

Electron まわり

先月サンフランシスコであったElectronのメンテナ会議に参加してきた。coreコードへのpatchは小さいの3つくらいしか送ってないんだけど、東京Node学園祭がキッカケでメンバーと顔見知りになったのもあって、遊びに行く感覚で議論に参加させてもらった。軽い気持ちで参加したんだけど、4日間、朝から晩までMozilla SFのオフィスでテーマ出しからバジェット付まで、ずーーーっと話し続ける会。すんごい充実感。

議論では、全体の利益が最大になると自分が思う方向に話を広げて問題意識を広げることに集中。i18nをケアできれば、より多い母数にアプローチできて可能性が広がる。自分はその例だよ。って感じに、信用をロンダリングしたりして、2つのトピックで自分の提案が予算の40%獲得することができた!しょーじき自分の説明は微妙だったんだけど、問題に共感してもらうところまで頑張れば生きてはいける。次はもちょいスマートに説明できるよーにしたい。

ホントはコミュニティでの議論をリードをできるくらいになりたいんだけど、まだまだ勉強と実践が不足しまくってるのが今回の会議で浮き彫りになった…。会社の会議とはわけがちがう ;(

とりあえずファシリテーターに関する本を読んでみてる:

いじょー近況でした。

東京Node学園祭 2016 海外ゲスト対応など

今年も東京Node学園祭おつかれさまでした。関係者含めて述べ500人以上はいたと思うんですが、これたぶん過去最大規模な予感!

nodefest.jp

今年は初めての試みが多く、一方で運営の人数はそこまで大きくは変わっていなかったので疲労感がすさまじかったです。2日間開催、過去最も多い海外スピーカー、チケットの値上げ、などなど。これを引き続きボランティアだけで運営していて、無事終わって、ひとまずよかった。。

懸念してた文化や言語の壁ですが、Node財団メンバーなどに良いカルチャーショックを体験してもらえたみたいで、終わってみればべた褒めされて念願叶ったり!あの規模のカンファレンスが東京であるなんて想像もしたなかったみたいで、これからはもう少しアジア圏への意識を高めていくと言ってました。早速BradやTracyたちと対話の機会を設けてもらえそうです。次回はLinux財団とコラボできると楽しそう。

さて、今年は海外ゲスト対応に加えて、Node Discussionと一部のMCと英語発表の逐次通訳も何件か対応しました。事前のゲストとのメールに関しては、下記の反省をいかして会話の往復を極限まで減らせたかなと思います。ただ反省が一つあって、逐次通訳の存在を事前に知らせるべきでしたね。発表の時間が大体半分になるので、、。来年に活かします。

watilde.hatenablog.com

あと通訳に関して。「通訳があって助かりました」という声をいくつか頂いた一方で、「自分は通訳なくても大体わかるので大丈夫です」や「あとで動画を見ればいいので分かります」という声も頂き、なぜ通訳をしてるかを改めて自分の考えをここに書いてみようかなと思います。

そもそも言語の違い(日本語と英語は最も遠い言語なんて言われてますよね)は生まれ持っての違いです。そんな生まれ持ったギャップに関わらず、誰もが参加しやすい多様性のあるコミュニティであるように全力で努力しているのがNodeのコミュニティであり、私はそのコンセプトが好きだからこそ今もNodeのために活動を続けています。通訳がないと理解できない人には通訳が必要であり、通訳がなくても分かる人は通訳がいてもわかります。より多くの人に快適に過ごしてもらうためにも、コミュニティの公用語が日本語であるうちは、まだまだやっていくべきだなと感じています。そして、あとで見れば分かるという意見なんですが、懇親会で話すきっかけになったりするので、これも後から見るのでは遅いと思うのです。meetupに来てる以上、知らない人やスピーカーたちと話さない理由はありません。ましてや、次いつ会えるかわからない海外ゲストとの対話の機会は貴重です。会話の話題のためにも、発表で何があったかをリアルタイムで知っておくのは大事です。次回はお声掛けいただければその場で通訳とかも喜んでやるので、もっと接点を増やしていきたいところ!

同時通訳に関しては予算の問題なんですが、今の予算のまま失敗を許容しやすいゆるい空気で続けていければいいなぁと個人的には思っています。チケットの値段の桁が増えたら、カンファレンス運営とお客様って構図が生まれそうで怖い。。あくまでエンジニアがメインとなってボランティアで手作りの運営をしているのが現状なので、このへんは判断が難しいですね。アンケートにご意見を書いていただければ次回の判断材料にするので、積極的に声を届けてください!

初日のNode discussionも一言感想を書いておきたいところ。普段TwitterOSSの愚痴を見かけることがあるわけですが、今回はその開発者たちと直接対談ができる機会を設けて基本的なことから仕様が絡んだ複雑な話まで何でもできて非常に良かったと思います。ディスカッション内でも言ったんですが、開発者みんな優しいので意見があったらGitHubのissueとかで本人に直接言っていきましょうね :)

スタッフは全員なにかしら常に手を動かしていてベストを尽くしたように思うんですが、その中で自分と距離が近めだった方々に感謝のメンションを。

@leader22 サイトの足回りにはじまり、Nodeschoolでの積極的な参加者との交流、スマートな海外ゲストの対応、受付、重たいコーヒーの死活管理など幅広くおつかれさまでした!自走力が素晴らしすぎたのでMVPあげたい。

@kohei_takata 海外ゲストのメール対応を手伝ってくれて、その後も二次会、三次会、四次会と最後までカオスな飲み会に付き合ってくれてありがとー!ポテンシャルの高さが露呈したので、今後も目立っていってほしい ;)

@leichtgewicht Node discussionのハンドリング素晴らしかった!i18n関連のことやworkshopperの次の一手についても議論をちゃんとやってたみたいで、2日間で最も大きな成果を獲得したんじゃないかな。i18n-it-all 手伝うよ!

@kysnm カンファレンスに必要な素材全般を知ってて今年も助かりました。今年は少し他の人にスケールしてるのも見受けたので、準備段階でメンター制度みたいなの設けてnomoさんの負担を減らせるといいですね・・・!

@hiloki サイトを作って頂いてたのもあったけど、足りない情報をリマインドしたりスケジュール管理してくれたり助かりました!

@CAのKanaiさん 細かいところまで目配りしつつリーダーシップを発揮して頂けて助かりました本当に。おもてなしのやり方を学ばせていただけましたm( )m

@yosuke_furukawa 全体を隈なく見ていて行動力も凄まじくて感謝。この人いないと運営なにもはじまらないなぁと改めて思いました。

来年に関して。またこのタイミングで帰国できるかは分からないんですが、より近隣国の人が参加できやすいように何かしら工夫ができればなぁと考えています。せっかくアジアにいるんですし。あと2日間連続開催はスタッフ的にはつらかったので、運営希望者が増えなかったら1日開催でも良さそう。いずれにせよ、もっと交流の量が増える仕組みをなんとか作れるといいですね。もし運営への参加を希望する方がいれば、2ヶ月に1回くらい開催されているNode学園にて関係者にお声掛けくださいな!きっと今後につながるような得られない体験を得ることができると思います。

あまり綺麗にまとまりませんでしたが、これにて。引き続きこのゆるくて優しいコミュニティと関われたらいいなぁと思う限りです😊