知識と経験、そして馴染むということ。

今回の帰国時に雰囲気の良い本屋を見つけて、人といたのに40分くらい動けなくなった。

そこまで広くない店内に、いかにも厳選された本が意図ありげに並べられる感じのところ。

今は引っ越しの最中だから運ぶのが大変な本はできるだけ買いたくなかったんだけど、

真っ白な本と目があって、5秒くらい読んですぐエナドリ飲んだあとみたいにテンションが上がって購入。

それがこれの1巻。2巻しかamazonで見つからなかった。というか2巻あるなら買っておけばよかった!

CURIOSITY2

CURIOSITY2

東日本大震災をきっかけに一人の青年が世界中を旅し、彼が個人的な関心を寄せる40名近くのクリエイターにインタビューをした。というもの。

旅好きな人が好きなクリエイターを厳選しているだけあって、旅が好きなクリエイターが集まっているように思う。

インスピレーションの源を聞かれ、人、旅、サーフィンあたりが答えの定番となっているのが面白い。

サーフィンとか自分とはすごい遠いところにあるけれど、ポジティブに考えるようになった。

自然と対話をして波を待つ、という受け身な姿勢が他のスポーツとは違うのかなきっと。

自分が常々考えていることがこの2つ

  • リスクを取らないとリターンはない
  • 選択肢を知らないとベストが何かを選ぶことはできない

最近は公私ともにうまくいかなくて少し苛立ちが募っていたけど、この本でクリエイターたちが似たようなことを言っていて

少し肩の力が抜くことができた。

中でも、建築デザイン家のOlivier Védrineの答えには元気をもらった。

- Nowadays, young people re hesitant to start new thing because of our current economic situation.

Olivier: Yes I understand this because in the early 80's too, the economy was unstable. In my generation, not everybody wants to. You can be creative in any kind of work. First, you have to be attracted by the place you are living in: London is different from Tokyo or Barcelona. You have to travel first to see the difference and be comfortable with the philosophy, politics and traditions of a certain place. Then you decide where you want to work, and the work you like.
- 最近、若い人たちは経済状況から新しいことを始めるのを躊躇していると思うんです。
Olivier: ああ、分かるよ。80年台の経済も不安定だったからね。私の世代では誰もがクリエイティブになりたかった訳ではなかったが、今では誰もがそうなりたいと思っている。どんな仕事でもクリエイティブになれるよ。そのためには初めに、住んでいる街に魅了される必要がある。ロンドンも東京もバルセロナも違う街だからね。最初は旅をして、その違いを知り、哲学・政治・伝統に馴染まなければいけない。それから、どこで働きたい化、何の仕事が好きかを決めるべきだ。

この受け答えの中で、馴染むって言葉が輝いて見えた。

ただ旅行で訪れるのと住むのでは理解度がまるで違い、"深く理解する" と表現したいときに適切な言葉を今まで選ぶことができていなかった。

"哲学・政治・伝統に馴染む" が、1つ1つは重みはあれど住んでいると自然に体に入ってくる、っていうのを綺麗に表現してて高揚した。

もう30歳が少しずつ見えてきたけど、もう1大陸、もう1都市、もう1つだけ違う価値観に馴染んでおきたい。

次はどの国にするべきかのんびり考える12月に。

来年に向けて

話せば長くなるんだけど、US企業との取引しかないのに税金の高いオランダに住むの無駄なので、税金が安く済んで経費の幅が広い日本に自分の会社を移そうかなぁと考えている。さらに税金が安く済むシンガポールへの移住も視野に入れつつ、日本から英語で働ける熱い仕事があれば引き続き挑戦していきたい。

というわけで、来年のどこかで多分帰国すると思う。


追記

何個か知り合い経由で仕事のお話きたけど、ネゴシエーションする費用がお互いもったいないので直接メールにしてくださいな。

daijiro.wachi [at] gmail.com

東京Node学園祭が今年も近づいてきた

今年も東京Node学園祭が目前にせまってきてた!あわせて帰国するので、見かけたら声かけてくださいな。

nodefest.jp

カンファレンス文化、そろそろ見直そうっていう流れがアムステルダムでは盛んになってきて(こういうの)、自分も運営に関わる身として考え直す時間が増えてきた。とりわけ、参加に対するリターンが曖昧である、というのは問題意識としてあって、尊さだけで続けるのも少し難しくなってきたように思う。

運営参加のモチベーションとしては、言語の壁によって分断されている日本語圏を、カンファレンスを通じて人と人をつなぎ、存在を認識し合う機会を提供。さらなるJavaScriptコミュニティ全体の発展を目指す。っていうのを考えていて、英語でやってる圏側、日本語圏側にアプローチをしているつもり。

英語でやってる圏側は、ゲストスピーカーを呼んで良い意味でカルチャーショックを受けてもらい、あちこちで言及してもらい好循環を狙う。日本語圏側は、どんな仕様やライブラリも人が作っている、と直接話すことで理解し、patchを投げる敷居を下げる。

色々とやり方があるのかもしれないけど、centralizedなイベントが好まれない背景があるので、なるべくdecentralizedな運営をしながらコミュニティ内のdistributedなnetworkの構築を少しずつやっていく、くらいしか今は解決策が思いつかない。異文化交流は、オンラインだけでは発生しにくくて、実際に会って話して一度でも体験すればオンラインでも発生するようになる。このカンファレンスの運営がうまくいけば、他国のカンファレンスとの交換留学制度に踏み切りたいんだけど今年のチケットの売れ行きを見ていると厳しみがある。

参加者個人が感じられるリターン、結論としては、やっぱり自分で見出さない限りは降ってこない、になる。積極的に動けば、信頼できるエンジニアの友人ができたり、お金で買えないモチベーションが手に入ったり、転職の相談を誰かにできたり、仕様策定者に意見を言って実際に仕様策定に参加したりーなんて機会になりえる。

この曖昧さなんとかしたいなぁ。。