架空売上に対する監査上の判断

解説に違和感を感じたので調べてみた。

 

問題文

月末に売上計上を行う販売情報システムにおいて、架空売上に対する監査上の判断のうち、適切なものはどれか。

選択肢

  1. 月初の売上取り消し件数は多いが、月間の販売目標を達成しているので、大きな間違いはないと判断した。
  2. 月初の売上取り消し件数が多いので、その原因を確かめた上で不正が行われていないかどうか判断することにした。
  3. 月末の売上取り消し件数が多いので、月間の販売目標の達成状況を確かめることにした。
  4. 月末の売上取り消し件数が多いので、その原因を確かめた上で不正が行われていないかどうか判断することにした。

正解

2. 月初の売上取り消し件数が多いので、その原因を確かめた上で不正が行われていないかどうか判断することにした。

 解説

架空売上は、実際降りも多い売上を計上することであり、月末や期末の数字合わせのために行われることが多い。そして、この架空売上は、翌月の月初や期初に取り消されることが多い。したがって、月初に売上取り消し件数が多いようであれば、不正がないかチェックした方がよい。

 違和感

「月末や期末の数字合わせのために行われる」なら、月末に取り消しを行うのも自然と言える。なぜ「翌月の月初や期初に取り消されることが多い」なのか。

 考察

この場合、「適切なものはどれか」と問うているので、より可能性が高いものはどれかというような意味になる。「月末に取り消しを行うのも自然ではないか」ということも考えとしては間違えではないが、解説のように月末に売り上げをあげるので、取り敢えず月末までに架空売り上げを含め、売り上げを計上し 、ばれる前に月初に取り消すという話。

月末に取り消す場合は、結果的には売り上げとして計上していないので不正とは言えない。

 

 

ただ、いずれにしても取り消し件数が多い場合は、本来監査の対象になる。

コレあまり良い問題じゃなさそう。

情報処理教科書 システム監査技術者 2013年版

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